自転車に方向指示器を
コロナ流行のためか、自転車利用者が増えた気がします。健康のために始めた人もいれば、家計に余裕がない・配偶者が自動車を使うから等の理由もあるでしょう。エコがメインの理由という人は少数と思いますが。私自身も学生時代は通学、就職してからは通勤(気温が高いときは電動バイク)と、自転車と縁の深い人生です。
最近、音楽やオーディオブックを聴きながら散歩するのが日課になり、歩道を歩いている時に、自転車利用者に脅威を感じることが多くなりました。音もなく背後から追い越され、冷や汗をかいたことは一度や二度ではありません。
モノがぶつかってくる威力をごく単純化すると「速さ×重量」になると思いますが、
・そこそこ速い重量級の電動アシスト自転車(子供・荷物載せの場合あり)
このどちらも歩行者にとっては脅威です。自動車に轢かれるよりはましでしょうが、成人でも頭部を損傷すれば、命に関わるし脳の損傷は一生ものです。子供・老人は充分死に得ます。
人間の基本的な状態が歩いて移動する生物である以上、保護されるべきは歩行者である。法律もその精神に依っているはずですが、実際の歩道では自転車利用者が歩行者の脅威となっている。自転車利用には様々なメリットがありますが、歩行者の安全を脅かしているようでは帳消しです。
自転車に乗るのであれば、基本的に車道を走行しなければならない。歩行者を守るために。しかし歩道走行は横行している。なぜなのか?
自転車利用者が歩道を走る理由は
①自転車を「軽車両」と認識していない。
②車道走行を危険と認識している。
③法律上、やむを得ない場合は歩道走行が許容されている。
④多くの人がそうしているから。
というようなものが考えられます。②③④については、警察の取り締まりやTV報道、横断歩道信号標識の改変(自転車の表示が消えている)、明示的な自転車レーンの設置など対策が取られています。①については、免許制か、自転車そのものに車両としての実質を持たせる以外にないと思います。具体的には、原付と似たような方向指示器の設置を義務化するのが有効なのではないでしょうか。「なぜ車道を走らなければならないか」と言われたときに、法律を説くのもよいですが、原付を指さして「あれと同じだから」と説明できるようになります。
自転車は効率的・健康増進要素あり・低環境負荷と、素晴らしい乗り物です。しかし、乗り手に完全に左右される乗り物です。イヤホン装着状態でスマホを注視しながら自転車を漕いでる人を見ると、人間の知性への信頼が崩れてくる、今日この頃です。決してそれが多数派とは思いませんが。