柴犬「ゆき」の写真記録

白柴「ゆき」の思い出

健康は君の義務

 表題はナチの標語の一部です。なんかむかつきますよね。不健康な連中に限ってこういうことを言い出すものです。この言葉を思いだしたのは、アップルウォッチ(シリーズ6GPSモデル)を購入したからです。

 健康維持に力点が置かれている製品で、四六時中身に着けていることを前提としています。身体活動を記録したり、心拍、心電図(アプリが医療用認可、しかし12誘導にあらず)、血中酸素飽和度(非医療用認可)、睡眠時間、騒音などなど、を測定できる機能があります。後はほとんど携帯電話のリモコンです。マスク姿でも顔認証ができるのは結構便利です。

 この「身体活動の記録」というのが曲者で、3つの指標で円グラフを完成させるようになっています。これがゲーム的で、いろいろな「実績解除」が用意されています。「完璧な一週間」とか。また、ずっと座っていると、振動と「そろそろ立ちましょう」みたいな警告が来ます。

 余計なお世話じゃい、と言いたいところですが、恐ろしいことに、円グラフを完成させることが、習慣化しつつあります。コロナのせいで遠出もできないので、意味もなく徒歩で用を足しに行ったりとか。それに対して言葉とビジュアルの報酬があります。

 例えば、運動によって、換金可能な「なんとかポイント」が与えられても、あまり意欲向上にはつながらないでしょう。ポイントは交換可能だからです。しかし、自分の身体とその状態は交換不能(今は)です。アップル社はそこを突いてきているようです。

 未来において、「アクティビティ」のなかに、「ビッグブラザーを〇回たたえる」とか「〇〇人を3人始末する」とかが追加されませんように。

 ちなみに、「健康帝国ナチス」(草思社文庫、2015、ロバート・N・プロクター、宮崎 尊 訳)はとてもいい本です。

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2021.5.31 西瓜と

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2012.9.02 猜疑

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